0476-93-5555受付 10:00–18:00
認知症・相続前後の売却

親が認知症になると実家は売れない?
成年後見・家族信託・相続後の売却を整理

最終更新日:2026年6月30日 | 監修:山新司法書士事務所(登記)/須藤正孝税理士事務所(税制)

「親が認知症になってきて、誰も住まない実家を売りたいのに売れない」——これは多くのご家族がぶつかる悩みです。鍵になるのは、親に判断能力(意思能力)があるかどうかと、いま親が元気か/認知症が進んだ後か/すでに相続が起きた後かという「時期」。この記事では、3つの時期ごとに「実家を売る方法」と注意点を、断定を避けながらやさしく整理します。制度は繊細なので、個別の進め方は司法書士・弁護士・税理士へのご相談を前提にお読みください。

この記事は一般的な情報提供を目的としています。成年後見制度・家族信託の個別の適否や手続きは、ご家族の状況により異なります。具体的な判断は、司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。

なぜ「親が認知症だと実家が売れない」のか

不動産の売買は、売主本人が「この内容で売る」と理解して契約する行為です。そのため売主には判断能力(意思能力)が求められます。認知症が進んで意思能力が十分でないと判断されると、名義人本人による売買契約は原則として有効に結べません(後から無効を主張されうるため、買主・不動産会社・司法書士も慎重になります)。

ここで誤解しやすいのが、「家族(子ども)が代わりに売ればいい」という発想です。たとえ実の子であっても、親名義の不動産を勝手に売ることは原則できません。委任状があっても、その委任の時点で親に十分な判断能力がなければ、委任そのものが有効と認められないことがあります。だからこそ、認知症と実家売却は「制度を使って正しく進める」テーマになるのです。

ポイント:問題は「認知症という病名」そのものではなく、契約を理解できるだけの判断能力があるかどうかです。程度には個人差があり、最終的な見極めは医師の診断や専門家の判断によります。「うちの親は売れる/売れない」を自己判断せず、まず相談から始めるのが安全です。

3つの時期で対応は変わる|早見表

同じ「実家を売りたい」でも、どの時期に動くかで取りうる方法はまったく変わります。まずは全体像を一枚で押さえましょう。

いまの状況主な方法ざっくりした特徴
親が元気(判断能力あり)本人が売却/
家族信託で備える
本人が普通に売れる。将来に備えるなら家族信託や任意後見などの選択肢も
認知症が進んだ後成年後見制度
(法定後見)
家庭裁判所が後見人を選任。居住用不動産の売却は家裁の許可が原則必要
親が亡くなった後(相続後)遺産分割→相続登記
→相続人が売却
後見・信託は不要。相続人で分け方を決め、名義変更してから売る

つまり、「元気なうちに備えるか」「発症後に成年後見で進めるか」「相続後に売るか」の3パターン。以下で順番に見ていきます。

認知症が進んだ後:成年後見制度

すでに親の判断能力が十分でなく、実家の売却が必要になった場合の基本的な方法が成年後見制度(法定後見)です。家庭裁判所に申し立て、選任された成年後見人が、本人に代わって財産管理や契約を行います。

居住用不動産の売却には「家庭裁判所の許可」が原則必要

ここが重要です。後見人がついても、自由に何でも売れるわけではありません。とくに本人が住んでいた(住んでいる)居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の許可が原則として必要です。後見人はあくまで本人(親)の利益を守る立場であり、「子どもの都合」ではなく「本人にとって売る必要・妥当性があるか」が問われます。施設費用の捻出や管理困難など、合理的な理由の説明が求められるのが一般的です。

時間と費用の見通し

申立てから後見人の選任までには一定の期間がかかり、そこからさらに居住用不動産の売却許可・実際の売却と進みます。トータルで数か月〜長ければ年単位を見込むケースもあります。また、後見は売却が終わっても原則として続き、専門職後見人がついた場合は継続的な報酬が発生することがあります。期間・費用の見通しは、お住まいの地域を管轄する家庭裁判所や、司法書士・弁護士にご確認ください。

成年後見制度には、判断能力が低下する前に自分で後見人を選んでおく「任意後見」と、低下後に家裁が選ぶ「法定後見」があります。すでに認知症が進んでいる場合に使うのは主に法定後見です。

元気なうちに備える:家族信託

「まだ親は元気だけれど、将来が心配」という段階であれば、選択肢の一つに家族信託があります。これは、親(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を託しておく契約です。

家族信託は「元気なうち」にしか結べない

家族信託の最大のポイントは、親に判断能力があるうちにしか契約を結べないことです。認知症が進んでからでは原則として組成できません。あらかじめ信託契約を結んでおけば、その後に親が認知症になっても、受託者である家族が信託の定めに沿って実家を管理・売却できる場合があります。成年後見と違い、売却のたびに家庭裁判所の許可を得る必要がない点が、機動力として語られることが多い制度です。

万能ではない・専門的な設計が必要

一方で、家族信託は契約の設計・登記・税務に専門的な検討が必要で、すべてのご家庭に最適とは限りません。組成には費用もかかり、家族間の合意形成も欠かせません。「家族信託にすれば必ず安心」と決めつけず、成年後見・任意後見なども含めて、司法書士・弁護士・税理士に個別の適否を相談したうえで判断するのが安全です。

大事な順番:認知症と実家売却は「元気なうちに動けたかどうか」で取れる手段が大きく変わります。気になり始めたら、対策できる選択肢があるうちに一度専門家へ相談しておくと、後の選択肢が広がります。

「うちの実家、いま売れる状態?」を整理するところから

親の状況・名義・将来の見通しをお聞きし、いまの時点で取りうる進め方を一緒に整理します。成年後見や家族信託が関わるケースは、提携する司法書士・弁護士・税理士へお取り次ぎします。ご相談・査定は無料です。

LINEで無料相談・無料査定 電話で相談 0476-93-5555 お問い合わせフォーム

※ ご相談・査定は無料です。後見申立て・信託組成・登記・税申告などの実費や専門家報酬、売買成立時の仲介手数料等は別途必要になることがあります。

相続が起きた後:遺産分割→相続登記→売却

親が亡くなった後(相続が発生した後)は、成年後見や家族信託の話ではなく、相続の手続きを経て売る段階に移ります。基本的な流れは次の3ステップです。

  1. 相続人を確定し、遺産分割をまとめる:誰が実家を相続するかを話し合い(遺産分割協議)、協議書を作成します。
  2. 相続登記(名義変更)をする:亡くなった方から相続人へ、実家の名義を変更します。2024年4月から相続登記は義務化されており、取得を知った日から原則3年以内の申請が必要です(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になりえます)。
  3. 相続人(新しい名義人)が売却する:名義が整えば、通常の不動産売却と同じように進められます。

名義変更の具体的な書類や費用は相続登記(名義変更)の流れ・必要書類・費用で、登記後に「売る・貸す・保有」のどれが合うかは相続した不動産は「売る・貸す・保有」どれ?で詳しく整理しています。

注意:認知症対策の入口で「相続まで待てば後見も信託もいらない」と安易に先延ばしすると、その間に実家が空き家として傷んだり、固定資産税や管理の負担が続いたりします。介護費用が今すぐ必要なケースもあります。「待つ/いま動く」の判断こそ、専門家と一緒に行うのが安心です。

我孫子市・東葛エリアで相談するなら

有限会社 陽エステートは、我孫子市・柏市・松戸市など東葛エリアに対応する地域の不動産会社です。「親が認知症で実家が売れない」「相続した実家をどうするか」といったご相談を入口に、いまの時点で取りうる進め方を整理し、成年後見・家族信託・相続登記など専門家の領域は、提携する司法書士(登記)・税理士(税務)へお取り次ぎします。弁護士が必要なケースのご案内も含め、「まず何から手をつければいいか分からない」段階からのご相談を歓迎します。

相続不動産の相談先全体の整理は相続した不動産の相談先は?、誰に頼むかを費用感つきで比べたい方は不動産会社・司法書士・税理士の比較もあわせてご覧ください。地域・状況に応じた売却の見通しは、我孫子市の相続不動産トップページからもご相談いただけます。

よくある質問(FAQ)

親が認知症だと、子どもが代わりに実家を売ることはできますか?
子どもであっても、親名義の不動産を勝手に売ることは原則できません。親に十分な判断能力(意思能力)がないと、名義人本人による売買契約は原則として有効に結べないためです。発症後に売却が必要な場合は、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人が手続きを進めるのが基本的な方法です。具体的な進め方は司法書士・弁護士にご確認ください。
成年後見制度を使えば、すぐに実家を売れますか?
すぐにとは限りません。後見人の選任には申立てから一定の期間がかかり、さらに本人が住んでいた(住んでいる)居住用不動産を売るには、家庭裁判所の許可が原則必要です。後見人は本人の利益を守る立場のため、売却の理由や条件が問われます。期間・費用・許可の見通しは家庭裁判所や専門家にご確認ください。
家族信託を使えば、認知症になっても実家を売れますか?
家族信託は、親に判断能力があるうち(元気なうち)にしか結べない契約です。あらかじめ信託契約を結んでおけば、その後に親が認知症になっても、受託者である家族が信託の定めに沿って売却などを行える場合があります。ただし制度設計や税務には専門的な検討が必要で、すべてのご家庭に最適とは限りません。適否は司法書士・弁護士・税理士にご相談ください。
親が亡くなった後(相続後)の実家は、どうすれば売れますか?
相続が発生した後は、相続人が遺産分割の話し合いをまとめ、相続登記(名義変更)をしてから売却するのが基本的な流れです。成年後見や家族信託は不要になりますが、相続人の確定・遺産分割協議・登記といった手続きが必要です。我孫子市・東葛エリアの相続不動産は、登記は司法書士、税金は税理士へお取り次ぎしながら陽エステートが売却までサポートします。
CONTACT

親の認知症と実家のこと
まずは無料でご相談ください

「売れるのか」「いま動くべきか」の段階で大丈夫です。状況を一緒に整理し、必要な専門家への橋渡しまでご案内します。我孫子市・柏市・松戸市など東葛エリアに対応。下の方法から、ご都合のよいものでお声がけください。

LINEで無料相談・無料査定 電話で相談 0476-93-5555 お問い合わせフォーム
※ 査定・相談は無料です(後見申立て・信託組成・登記・税申告などの手続費用は別途)。お問い合わせの際はプライバシーポリシーをご確認のうえ送信ください。通信はSSLで暗号化しています。
有限会社 陽エステート
お電話:0476-93-5555(受付 10:00–18:00 / 定休:水曜・第1・第3木曜)
LINE:公式LINEで相談 / フォーム:お問い合わせフォーム