相続した不動産は「売る・貸す・保有」どれ?
判断の物差しと、空き家のまま持つリスク
名義変更(相続登記)が済んだら、次に来るのが「この家・土地をどうするか」という問題です。選択肢は大きく「売る・貸す・保有する」の3つ。正解は一つではなく、ご家族の事情と物件しだいです。この記事では、迷ったときの判断の物差しと、見落としがちな「空き家のまま保有」のリスクを整理します。
まず全体像|3つの選択肢を比べる
| 選択肢 | 向いているケース | メリット | 主な留意点 |
|---|---|---|---|
| 売る | 使う予定がない/維持が負担/現金で分けたい | 管理から解放・現金化・分けやすい | 売却益が出ると譲渡所得税(特例の検討余地) |
| 貸す | 立地が良く需要がある/資産として持ちたい | 家賃収入・資産を残せる | 修繕・管理・空室リスク、家賃下落 |
| 保有する | 当面使う予定/値上がり期待/思い入れ | 将来の選択肢を残せる | 固定資産税・管理コストが続く、空き家化 |
迷ったときの「判断の物差し」
どれを選ぶか迷ったら、次の4つの問いに答えてみてください。
- その家を、5年以内に自分や家族が使う予定はありますか?
→ 使う予定がないなら、「貸す」か「売る」が現実的です。 - 維持費(固定資産税・修繕・管理)を払い続けられますか?
→ 負担が重い・遠方で管理できないなら、「売る」が有力です。 - 相続人どうしで、公平に分けたいですか?
→ 不動産は分けにくい財産です。現金化(売却)すれば、分けやすくなります。 - その立地に、借り手・買い手の需要はありますか?
→ 駅近・人気エリアなら「貸す」も選択肢。需要が弱いなら早めの「売る」が無難です。
これらは、地域の相場や需要を知らないと判断しきれません。だからこそ、まず「いまいくらで売れるのか(査定額)」を知ることが、すべての判断の出発点になります。
見落としがち|「とりあえず保有」のリスク
いちばん多いのが、決めきれずに「とりあえず空き家のまま保有」になってしまうケースです。これには、見えにくいコストとリスクがあります。
- 固定資産税・都市計画税が毎年かかり続ける。誰も使っていなくても課税されます。
- 家は人が住まないと急速に傷む。換気されず、雨漏り・カビ・庭の荒れが進み、いざ売るときの価値が下がります。
- 「特定空家」等の勧告を受けると、土地の固定資産税が増える場合がある。管理が不十分な空き家は、市から「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、改善の勧告を受けると、住宅用地の特例(土地の固定資産税を軽減する仕組み)が外れ、土地の固定資産税が増える場合があります。指定された時点で直ちに増税されるわけではなく、勧告が一つの分かれ目です。
- 近隣トラブル・防犯・倒壊などの管理責任。遠方に住んでいると、草刈りや見回りだけでも大きな負担です。
参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」関連 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
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