遺言書の種類と効力
自筆証書・公正証書・法務局保管・検認
「遺言書を残したいが、書き方が分からない」「自筆証書遺言と公正証書遺言は何が違うのか」——不動産が相続財産の中心になるケースでは、遺言書の有無がその後の手続きを大きく左右します。ここでは遺言書の3つの種類と効力、自筆証書遺言の要件、法務局の保管制度、家庭裁判所の検認までを整理します。
遺言書には3つの種類がある
民法で定められた普通方式の遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。それぞれ作成方法・保管場所・検認の要否が異なり、確実性と費用のバランスで選ぶことになります。
| 種類 | 作成方法 | 保管 | 検認 |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 本人が全文を自書(財産目録は除く) | 自宅など/法務局保管制度の利用も可 | 必要(法務局保管は不要) |
| 公正証書遺言 | 公証人が作成 | 原本を公証役場で保管 | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 本人が作成し公証人が存在を証明 | 本人が保管 | 必要 |
自筆証書遺言の書き方と要件
自筆証書遺言は、費用をかけず手軽に作れる点が特徴です。ただし要件を満たさない場合は無効になるおそれがあります。基本として、全文・日付・氏名を自書し、押印することが必要です。
- 本文は手書き(ワープロ・代筆は不可)
- 日付は「令和7年6月吉日」のような曖昧な表記は避け、特定できる日付を記載
- 氏名を自書し、押印する
なお2019年の法改正で、財産目録についてはパソコンでの作成や、通帳コピー・登記事項証明書の添付が認められるようになりました(各ページに署名押印が必要)。不動産が多い相続では、目録を別紙にできるため負担が軽くなります。
出典:法務省「自筆証書遺言に関するルールが変わります」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00284.html
法務局の自筆証書遺言書保管制度
2020年7月から始まった自筆証書遺言書保管制度では、法務局(遺言書保管所)が自筆証書遺言の原本を保管します。自宅保管に比べて紛失・改ざん・未発見のリスクを防げるのが利点です。
さらに、この制度を利用して保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が不要になります。我孫子市の不動産を対象とする遺言では、相続登記の前段がスムーズになる点もメリットです。手続きの全体像は相続手続きの流れもあわせてご確認ください。
出典:法務省「自筆証書遺言書保管制度」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00051.html
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公正証書遺言と検認
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を聞き取って作成し、原本を公証役場で保管する方式です。費用はかかりますが、形式不備で無効になるリスクが低く、検認も不要なため、確実性を重視する場合に選ばれます。作成には財産額に応じた手数料がかかります。
出典:日本公証人連合会「公証事務 遺言」 https://www.koshonin.gr.jp/business/b01
検認とは、家庭裁判所が遺言書の形状や内容を確認し、偽造・変造を防ぐための手続きです。自筆証書遺言(法務局保管を除く)と秘密証書遺言は検認が必要で、検認を経ずに開封すると過料の対象になることがあります。検認は遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。我孫子市の相続では千葉家庭裁判所が窓口です。
出典:裁判所「遺言書の検認」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_15/index.html
遺留分への配慮を忘れない
誰がどの財産を引き継ぐかは、遺産分割の方法とも密接に関係します。判断に迷う場合は早めに専門家への相談を検討してください。具体的な要件の充足は個別の事情によって異なるため、最終的な判断は専門家にご確認ください。